グラフィックデザイナー年収のリアルデータ

  • DODA調べ(2024年12月時点):

    全国平均年収 348万円(前年比+3万円)
    転職希望者を対象としたデータで、若手から中堅層が中心。2023年は345万円だったため、微増傾向。WebやUI/UX系のスキルを持った転職者が増えたことも影響していると考えられます。

  • 求人ボックス調べ(2025年4月時点):

    全国平均年収 459万円(前年比+10万円)
    正社員求人情報を基にしたデータで、企業が提示する年収が反映されている。2024年は449万円だったため、上昇傾向にあります。UI/UXやデジタル分野の求人が全体を底上げしている可能性があります。

  • 賃金構造基本統計調査(令和6年、2024年):

    全国平均年収 483.9万円 / 東京都平均年収 523万円
    業界全体を対象としたデータで、経験豊富なベテランや大企業のデザイナーも含まれますが、前年(509万円 / 569万円)から大きく下がっており、企業のコスト圧縮や高年収層の減少といった影響が出ている可能性があります。

こうして見ると、同じ「グラフィックデザイナーの年収」でも、データの取り方でずいぶん違いますよね。たとえば、DODAの348万円は「転職者のリアル」な数値。これに対して、賃金構造基本統計調査では全国平均が483.9万円となっており、前年より大きく下がっているのが気になるポイントです。
従来は「一番高いデータ」とされてきましたが、今回は東京都平均も569万円から523万円に下がっており、業界の実態(特にベテラン層)の年収が圧縮されつつある様子がうかがえます。

一方で、求人ボックスの年収は459万円と上昇。企業が提示する「理想的な年収像」を反映していると言えそうです。
このように、どのデータを見ても「働き方・スキル・領域」で年収に大きな差があるのが、グラフィックデザイナーという職種の特徴ですね。

なぜグラフィックデザイナーの年収は低いのか?

グラフィックデザイナーの年収が控えめな理由として、以下のようなポイントが挙げられます:

  • 紙媒体の需要減少:

    デジタル化が進む中で、ポスターやチラシといった紙媒体の仕事は減少傾向にあります。紙に依存しているデザイナーほど厳しい状況になりがちです。

  • AIやデザインツールの進化:

    CanvaやAdobeのAI機能など、誰でもそれなりのデザインができるツールが普及。単純なデザイン業務の価値が下がりつつあります。

  • スキルの幅が限定的:

    デザインそのものだけに集中していると、クライアントが求める「成果を出すデザイン」から外れてしまうことがあります。

要するに、「昔ながらのやり方」だけでは年収アップが難しい時代になってきているということです。
とはいえ、すべてのグラフィックデザイナーが年収が低いわけではありません。
実際には、「複数のスキルを組み合わせている」「フリーランスとして実績を積んでいる」「マーケティングまで対応できる」といった共通点を持つ人は、しっかりと稼げています。
年収に不安があるなら、「働き方」と「スキルの幅」を見直すのが一番の近道です。
グラフィックデザインだけでは厳しい理由をもっと知りたい方は『グラフィックデザイナーはやめとけ!ってなんで言われるの?』をご覧ください。

グラフィックデザイナーから総合的なデザイナーを目指そう

今や、AIやデザインツールの進化により、誰でも簡単にデザインを作れる時代になりました。ポスターやSNSバナーなどが、ツールさえあればプロの経験がなくても作れてしまう現実があります。
詳しくは『グラフィックデザイナーの未来、どうなる?』で解説していますが、この記事ではその影響に簡単に触れておきます。

企業が求めているのは、ただ「きれい」なだけのデザインではありません。ビジネスに貢献する「成果」を生むデザインです。結局、誰にでもできる仕事に高い給与は払いたくないですよね?だからこそ、ロジックやマーケティング視点を持つスキルが必要とされるのです。

UX/UIデザインの魅力:年収もキャリアも「成長中」

グラフィックデザインを学びたい方にこそ、現在進行形で価値が高まっているUX/UIデザインを取り入れることを強くおすすめします。
その理由は、以下の最新の年収データを見れば一目瞭然です。

  • UXデザイナー:平均年収 645万円 → 671万円(+26万円)
    (2025年4月 求人ボックス調べ)
  • UIデザイナー:平均年収 621万円 → 648万円(+27万円)
    (2025年4月 求人ボックス調べ)
  • UX/UIデザイナー:平均年収 557万円 → 571.4万円(+14.4万円)
    (令和6年 賃金構造基本統計調査)

このように、すべての関連職種で明確な年収アップが見られます。ここで注目したいのは、データの性質の違いです。

求人ボックスのデータは、企業が提示する「募集時の給与」を反映しています。この数値が上がっているということは、企業が新しい才能を獲得するためにより高い給与を提示し始めている、つまり採用競争が活発化している証拠です。
一方、賃金構造基本統計調査は、実際にその職に就いている人たちの「実績としての給与」です。こちらの数値も上昇していることから、業界全体の給与水準そのものが底上げされていることがわかります。

つまり、「これから就職・転職する人への提示額」と「すでに働いている人の実績額」の両方が上昇しているわけで、UX/UIデザイナーの市場価値が非常に力強く高まり続けていることが、二重のデータで証明されているのです。

デザイン業界の中でも、単なる「見た目の美しさ」を超えた成果に直結するスキルが評価される時代です。マーケティングやビジネスの視点を取り入れたデザインスキルを習得することが、この成長市場でキャリアアップするための最も確実な近道と言えるでしょう。

グラフィックデザインを含むトータルデザイナーを目指そう

では、グラフィックデザインを学びたい人はどうすればいいのでしょうか?その答えは、グラフィックデザインを土台に、UX/UIデザインやマーケティングの知識を取り入れることです。いわば、「総合的なデザイナー」を目指すことが鍵となります。

例えば、こんなスキルが役立ちます:

  • ビジュアルデザイン:ポスターやロゴを作るだけでなく、Web広告やバナーに展開する方法も学びましょう。
  • UX/UIスキル:FigmaやAdobe XDを使い、ユーザーが迷わず使えるデザインを設計します。
  • マーケティング視点:「どうすれば売れるのか?」を考えながらデザインに落とし込む力を磨きましょう。

グラフィックデザインだけでは厳しい!幅広いスキルを学べるスクール紹介

これまで見てきたように、グラフィックデザインだけでは十分とは言えない時代になっています。AIやデザインツールの進化により、「見た目がきれいなデザイン」だけでは差別化が難しくなっているのが現実です。
そこで、UX/UIデザインやデジタルマーケティングなど、幅広いスキルを身につけた総合的なデザイナーを目指すことが重要になっています。

そんな時に役立つのが、東京デザインプレックス研究所の講座です。経済産業省が認定する「第四次産業革命スキル習得講座」および、厚生労働省の「専門実践教育訓練指定講座」にも認定されており、最大64万円の給付金対象となっています。これにより、経済的負担を抑えながら、実践的なスキルを学ぶことができます。

詳しくは、『教育訓練給付制度を活用してWEBデザインとUI/UXスキルを同時に習得しよう』で制度の詳細をご確認ください。

デジタルコミュニケーションデザイン総合コース

このコースでは、グラフィックデザインを基盤に、Webデザインやアートディレクションなどを実務レベルで学びます。ブランド全体を俯瞰したデザインスキルや、マーケティング視点を取り入れた幅広いスキルを身につけることが可能です。

ブランドデザイン戦略(グラフィック&Web)コース

グラフィックとWebデザインを統合的に学び、ブランド価値を高める力を養えるコースです。単なるデザイン技術ではなく、ブランド戦略やマーケティング視点も取り入れた実践的なスキルを習得できます。

アートディレクター総合コース

アートディレクターを目指す方向けのこのコースでは、タイポグラフィやライティング、Webマーケティングなどを包括的に学ぶことができます。デザイン力だけでなく、ビジネスやマーケティングに強い人材を目指せます。

これらの講座に興味がある方は、東京デザインプレックス研究所の給付金対象コースをご検討ください。資料請求や個別カウンセリングを利用して、自分に合った学び方を見つけてください。

東京デザインプレックス研究所

ぜひ、これらの講座を通じて、即戦力となるスキルを身につけ、デザイナーとしてのキャリアを次のステップに進めましょう。
資料請求や個別カウンセリングをご利用いただくことで、さらに詳しい情報を得られます。

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