赤色のイメージ|デザイン
高級皮革製品のデザイナー、マリオ・ヴァレンティーノはかつて、「赤は、気骨のある色だ。深く、強く、ドラマチック。ゼラニュームや、ゴヤの赤。内装のデザインには、金のように貴重に扱うべき色である。衣服では、黒や白と同様に強烈な印象をあたえる。」と言ったそうです。
赤は、暖かく明るい色彩で、前向きな感情や強い感情を引き起こす色です。この色は波長が短く強いエネルギーを持つため、行動ややる気を与える色です。愛情、温情、快適さといった感情とよく結びつけて考えられています。烈火のごとくといわれるほど怒りなども思いおこさせる色で、興奮と強さを持ちます。やる気を起こさせ発奮を促すということから、販売促進には欠かせない色彩とも言え、頻繁に使われる色です。**効果的な広告バナーやランディングページのデザインにおいて、赤をどのように使うかはグラフィックデザインやWebデザインの重要なスキルの一つと言えるでしょう。**また、赤は国や文化によっても多様な意味を持ちます。例えば、西洋では情熱や愛、危険を象徴する一方、東洋(特に中国など)では幸運、喜び、繁栄といったポジティブな意味合いで広く用いられます。このような文化的な背景も、デザインにおける色の印象に影響を与えることがあります。
赤を使うのに向いているサイトの特徴
赤色は、その目立つ性質から多くのウェブデザインで活用される色です。人間の視覚に強い刺激を与え、注意を引きやすいため、交通標識や警告メッセージにも頻繁に使用されます。さらに、赤色は力強さや情熱を表現するための有力な手段とされており、速さやスピード感を伝えたり、エネルギッシュな印象を与える際に最適です。
ブランド戦略においても、赤色は特に注目される色であり、多くの企業がそのカラーパレットに取り入れています。重要な要素やアクションを際立たせるためにウェブサイト内で使われることもあります。例えば、ボタンやリンクに赤色を使用することで、ユーザーの注意を引き、行動を促す効果が期待できます。
特に、デザインやファッション関連、芸術性を強調するウェブサイトにおいては、赤色の使用が適しています。赤は感情や情熱を表す色でもあり、視覚的な刺激を通じて訪問者の興味を引き、サイトのメッセージを強く印象付けるのに役立ちます。遠くからでも目立つ色の配色や看板の組み合わせにおいても、赤色は集客効果を高める要素として活用されています。
【赤を効果的に使う配色テクニック】
赤は強力な色ですが、他の色との組み合わせ方でその印象をコントロールできます。
- 無彩色(白、黒、グレー)との組み合わせ: 白や明るいグレーと合わせると、赤の鮮やかさが際立ち、モダンでクリーンな印象になります。黒と合わせると、高級感や力強さ、ドラマチックな雰囲気を強調できます。
- 類似色(オレンジ、ピンクなど)との組み合わせ: グラデーションを作ることで、統一感を保ちつつ華やかさや温かみを増すことができます。
- 補色(緑系)との組み合わせ: アクセントとして少量使うことで、互いの色を引き立て合い、非常に強いインパクトを与えます(クリスマスカラーなど)。ただし、広い面積で使うと目がチカチカする(ハレーション)ことがあるため注意が必要です。
- アクセントカラーとしての使用: 全体のベースカラーを落ち着いた色にし、赤をポイント的に(ボタン、アイコン、一部のテキストなど)使うことで、視線を効果的に誘導し、重要な情報を際立たせることができます。
赤を使うのに向いていないサイトの特徴
赤色はその強烈なインパクトから、ウェブサイトのデザインにおいても重要な要素ですが、注意が必要です。過度に使用すると、過剰な刺激や重苦しい印象を与える可能性があります。このため、リラクゼーションや安心感を提供するようなコンテンツを伝えるサイトには向いていません。
赤色は無意識的に緊急性や重要性を引き起こす色とされています。そのため、購入や契約のページなど、冷静な判断が求められる場面では、赤色の過剰な使用は判断力を妨げる可能性があります。ウェブサイトをじっくり閲覧する時間が必要なコンテンツにおいても、赤色の過度の利用は注意が必要です。
赤色は感情を刺激する色でもあり、元気や情熱といったポジティブな意味合いを持っていますが、バランスが重要です。適切に活用することでウェブサイトのメッセージを強調し、ユーザーの注意を引くことができますが、過度に使用すると逆効果となる可能性があるため、慎重な配色が求められます。
【赤色使用時のアクセシビリティと注意点】
赤は視認性が高い色ですが、特に背景色として使用する場合や、他の色と組み合わせる際にはコントラスト比に注意が必要です。例えば、赤い背景に青や緑の文字を乗せると、ハレーションを起こし非常に読みにくくなることがあります。また、色覚特性を持つ人にとっては、赤と緑の区別がつきにくい場合があることも考慮に入れるべきです。WCAGなどのガイドラインを参考に、十分なコントラストを確保し、色だけでなく形やテキストラベルなど他の手段でも情報が伝わるようにデザインすることが重要です。
赤のような強力な色が持つ心理効果や、それを活かしたインパクトのある配色、ブランド戦略への応用などを深く理解し、使いこなせるようになりたい場合は、専門学校やデザインスクールで体系的に学ぶことが、実践的なスキルを身につける上で非常に有効です。
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