深緑色のイメージ|デザイン
深緑色からは「ナチュラル」や「素朴」、「飾り気の無い」といったイメージを強く受けることが出来ます。前に出て目立つ色でないことから印象がやや弱いことが多いこの色ですが、その色が持つ「懐かしさ」や「古びたもの」といった印象は、デザインに含ませることによって受け取り手に対して「優しさ」や「サポートする」といった印象を与えることが出来ます。
同系色である、比較的明るい緑色と異なる点は、時間が経った木々や、枯れかかった葉など、老熟したイメージを与えることが出来るということでしょう。疲れている人にとっては特に目を引く色であり、デザインの分野において使用される際には、癒しや受容といったイメージを与えたいという意図を持って使われることが多い色です。
深緑を使うのに向いているサイトの特徴
深緑は、その落ち着きと自然を連想させる色合いから、様々なテーマのWebサイトで効果的に活用できます。特に以下のようなサイトやデザインでその魅力が引き立ちます。
- 自然・環境・アウトドア関連: アースカラーとして、オーガニック製品、観葉植物、キャンプ用品、環境保護団体のサイトなどに使うと、テーマとの親和性が高まります。
- 伝統・歴史・文化関連: 日本の伝統色でもある深緑は、老舗旅館、伝統工芸品、美術館、歴史的建造物を紹介するサイトなどで、格式や趣き、信頼感を演出します。
- リラクゼーション・癒し関連: 心理的な落ち着きや安心感を与えるため、ヒーリングサロン、ヨガスタジオ、書斎のような空間をイメージしたサイトにも適しています。
- 高級感・安定感を重視するサイト: 他の色(例:ゴールド、クリーム、濃い木目調)と組み合わせることで、金融機関、高級家具ブランド、紳士服ブランドなどで、重厚感や信頼性、洗練された印象を与えることができます。
- 特定のテーマを持つブログやメディア: 書評ブログ、ガーデニングに関するサイトなど、落ち着いた雰囲気でじっくり読ませたいコンテンツにも向いています。
深緑は様々な色と組み合わせることで、多様な表情を見せます。例えば、クリーム色やベージュと合わせるとナチュラルで穏やかな印象に、ゴールドや真鍮色と合わせると高級感やクラシックな雰囲気に、テラコッタやブラウンと合わせるとアースカラーでまとまりのある印象に、淡いピンクやラベンダーをアクセントに使うと、落ち着きの中に優しさや洗練さを加えることができます。
深緑を使うのに向いていないサイトの特徴
深緑はその落ち着いた印象が魅力ですが、サイトのテーマや目的によっては、その特性が合わない場合もあります。
- 活気・楽しさ・スピード感を重視する場合: 子供向けのおもちゃ、音楽フェス、エネルギードリンク、期間限定のポップなセールなど、明るさ、軽快さ、刺激が求められるデザインには、深緑の持つ重厚感や落ち着きは不向きなことが多いです。オレンジ、黄色、明るいピンクなどの暖色系や、鮮やかな色が適しています。
- 親しみやすさ・軽やかさを最優先する場合: 例えば、ベビー用品やカジュアルなカフェ、気軽に使えるSNS風のコミュニティサイトなどでは、深緑を使うと少し硬い印象や重たい印象になる可能性があります。パステルカラーや明るい中間色の方が、よりソフトで親しみやすい雰囲気を作りやすいでしょう。
- 注意点(使い方による): 深緑を広範囲に使うと、特に他の暗い色と組み合わせた場合、サイト全体が暗く重い印象になりがちです。軽快さや明るさを出したい場合は、深緑を使うとしてもアクセントカラーに留めるなどの工夫が必要です。
深緑を背景色として使用する場合は特に、上に乗せる文字色には十分に明るい色(白や明るいベージュなど)を選び、誰もが読みやすいコントラスト比を確保することが重要です。WCAGなどのガイドラインを参考に、アクセシビリティに配慮したデザインを心がけましょう。
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